かれこれ数年近く慢性的な意欲の低下に苦しめられており、いわゆる男性更年期の可能性を疑っているのだが、それとはなんの関係もなく鶴見川で昼メシを食べることにした。
鶴見川タワリシチとは「鶴見川の河川敷で喫食する」くらいの意味である。同志とは言っているが実行しているのは私一人である。
駅前の精肉店で唐揚げ弁当を買い、河川敷近くのコンビニで黒ラベルの500ミリ缶を買う。ビールはやる直前に買わないとすぐ微温くなる。微温いビールはそれはそれで嫌いではないが、ラガーは冷えている方が旨い気がしている。
弁当とビールの組み合わせは腹に溜まるから、そんなに酒を呑まないで済むのは利点だ。焼き場で火葬を待つあいだ、別室でビールと仕出し弁当を食う段取りはよく考えると理に適っている。あの場で旨い酒や肴が出てきようものなら、遺骨と対面する頃にはべろんべろんに酔ってしまい骨上げもままなるまい。
都市の下流の河川敷特有のどぶ臭いにおいがかすかに薫るなか、弁当を食い、小雨に打たれる。月曜の午前の河川敷は人が疎らで、もくねんと弁当を食ってる物好きは私くらいのものだ。
川はだいたい清流が好きだけど、どぶ川にもまたどぶ川の良さがある。